先日、政府が住民税非課税世帯を対象として、1世帯につき5万円を給付する「臨時特別給付金」の支給を決定しました。
その給付に対する事業費は、おおよそ8,540億円の支出ということで波紋を呼んでいます。
非課税世帯だと、給付金がもらえるので、非課税世帯になる方法はあるのかな?と思う方もいると思います。
そこで今回は、住民税非課税世帯になるにはどうすればいいのか、その方法を調査していきます!
住民税非課税世帯ってなに?
非課税世帯になるのにはどうすればいいの?
- 住民税非課税世帯についての解説
- 住民税非課税世帯になる方法
住民税非課税世帯とはわかりやすく解説
住民税非課税世帯とはどんな世帯を指すのか詳しく紹介していきます。
そもそもこの住民税非課税世帯の住民税とは、どのようなものかも解説していきたいと思います。
住民税について
住民税とは、現住する地域の行政サービス等に必要な費用を、分担して納める税金のことです。
都道府県民税と市町村民税を合わせて住民税といい、住民税の納付は均等割と所得割から成り立っています。
均等割は、その地域に住む全員が支払うべき税金です。
所得に関係なく、東京都の場合は一律で5,000円を支払わなければなりません。
<内訳>
市町村民税→3,500円
道府県民税→1,500円
所得割は、所得に応じた金額を支払う税金です。
所得割の税率は、所得金額に対し、一律で10%となっています。
また、納付額は前年の1月初め〜12月終わりの1年間の所得で算出されます。
<内訳>
市町村民税→6%
道府県民税→4%
納税義務者は均等割と所得割の合計金額(=住民税)を納付しなければならない。(例外は除く)
また、住民税は主に以下のような行政サービスに使用されます。
・教育(子育て支援なども含む)
・福祉(介護など)
・消防
・救急
・ゴミ処理
・公共施設運営
住民税非課税世帯について
住民税非課税世帯とは、名称通り、住民税の支払いがない(免除される)世帯という意味です。
住民税非課税世帯には大きく区分すると、2つのケースがあります。
①「均等割・所得割」ともに非課税
②「所得割」のみ非課税
今回政府が給付を決定した制度である「臨時特別給付金」は、①「均等割・所得割」ともに非課税の方が該当します。
住民税非課税世帯になるには、いくつか条件があります。
住民税非課税世帯の優遇措置について
住民税非課税世帯は低所得であるため、生活する上で必要になる支出を補う制度を受けることができます。
・国民健康保険料の減免
・予防接種や検診などの費用の無償化
・介護保険料や高額療養費の軽減
・2歳未満の保育園などの無償化
・高等学校等の奨学給付金支給
・大学の入学金や授業料などの減免
・NHKの受信料免除
①均等割・所得割ともに非課税
- 生活保護受給者であること
- 未成年・寡婦(または寡夫)・ひとり親・障がい者のいずれかに該当し、合計所得金額が135万円以下
- 前年の合計所得額が、各市町村などで定める金額よりも低い場合
〈東京23区内の場合〉
・同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
・同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合
45万円以下
引用元:東京都主税局
②所得割のみ非課税
所得割のみ非課税の場合、均等割のみ課税されます。
〈東京23区内の場合〉
前年中の総所得金額等が、下記の金額以下の方
・同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下
・同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合
45万円以下
引用元:東京都主税局
住民税非課税世帯になる方法
住民税非課税世帯には、「均等割・所得割」ともに非課税のパターンと、「所得割」のみ非課税のパターンがあることがわかりましたね。
では、次に住民税非課税世帯になるには、どのような方法があるのかも探っていきます!
①1年間無収入になる
1年間無収入になれば、住民税・所得税は発生しません。
また、収入がなく生活保護を受給する方も住民税非課税世帯の対象になります。
しかし、生活保護を受ける条件として、病気やケガなどで働けずに、収入なく生活が困難である方に限ります。
収入がないというだけでは生活保護は受けられません。
病気の場合は医師からの診断がなければ、生活保護を受給することができないのです。
なので、1年間無収入になるというのは、非現実的な方法で、生活する上で非常に困難であるといえます。
②課税限度額を超えずに働く
課税(賦課)限度額を超えずに働く場合、金額を調整しなければなりません。
住民税が非課税になるには、年収・所得金額が大きく関わります。
各自治体によって変動はありますが、いくつか例を出していきます。
家族構成 | 年収 | 所得金額 |
---|---|---|
独身1人暮らしの会社員 | 前年の1年間100万円以下 | |
夫・会社員/妻・専業主婦の夫婦 | 156万円以下 | 101万円以下 |
夫・会社員/妻・専業主婦+子ども1人の3人世帯 | 136万円 | 205万円以下 |
寡婦(または寡夫)orひとり親 | 204万4000円以下 | 135万円以下 |
これらの年収・所得金額を満たせば住民税非課税世帯制度が適用できます。
例に挙げた、年収・所得金額を超えてしまえば住民税非課税にはならないので注意が必要です!
③世帯分離をする
世帯分離とは住民票上で一つの世帯を、二つの世帯に分ける(分離する)ことを指します。
二世帯住宅など、住んでいる場所が同じでも、親世代と子供世代で生計を分ける場合、住民票上で明確に区別するために使われます。
世帯分離をすることで、世帯の所得が減ると住民税非課税世帯になることもあります。
まとめ
今回は住民税非課税世帯になる方法を詳しく調査してみました。
住民税非課税世帯になると、優遇措置が受けられたり、今回の「臨時特別給付金」のような給付金を受給できたりメリットもたくさんあります。
しかし、そのためにはいくつか条件があったり、収入が激減するご家庭もあると思います。
かなりリスクを伴うケースもあるので、しっかり下調べをしてから申請をしてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。