2022北京で行われている冬季オリンピックがはじまりましたね。
選手たちの活躍が楽しみで精一杯応援していきたいですが一方でケガの心配をする声もあがっているのです。
ウィンタースポーツのオリンピックということですが、北京の雪は100%人工雪なのです。
冬季オリンピックの開催地が人工雪というのはびっくりしますよね。
人工雪は自然の天然雪に比べると硬くて(固くて)滑りづらいと言われています。
硬くてコンクリートのような状態となるようで、万が一選手たちがケガをしたら選手生命にかかわるのではないかと不安視されているのです。
今回は北京オリンピックの人工雪について深堀していきたいと思います。
中国北京は雪がほとんど降らない地域
冬季オリンピック開催国である中国の北京市延慶や河北省張家口市は雪はほとんど降らない地域なのです。
2月の気温の平均は0.6度で降水量も少なく、月に3~4日ほどしか平均して降らないというデータがあります。
気温は低いけれどスキー場を運営するほどの雪は積もらないのが北京という土地なんですね。
したがって、人工的に雪を作り出して冬季オリンピックを開催するしかないという選択肢になります。
今までも開催国の雪不足はあったものの「不足」分を人工的に埋めたということはありましたが、100%人工雪というのは史上初の試みとなったんです。
北京オリンピックの
— hidetöooon@祭人(ホイッター) (@hidetooooooon) February 2, 2022
スノーボードスロープスタイル
コースが万里の長城っぽくて
いい感じ。 pic.twitter.com/4xR544nVmY
かなりコストのかかる開催となりますが、中国としては夏も冬もオリンピックを開催した都市という偉大なイメージアップにもつながるともいわれています。
それに加えて温暖化により冬季オリンピックの開催できる都市が少なくなっていることから、100%人工雪でもオリンピックが開催できるということを実証するということにもなったと言われています。
スノーマシン(スノーガン)で人工雪の作り方は2種類
人工雪の作り方を世界ではじめて開発したのはなんと日本人なんです。
中谷宇吉郎(なかやうきちろう)という方で、雪の結晶の研究を続け、雪の人工結晶の制作に成功したのです。
まさか日本人が人工雪を初めて開発したなんで驚きですよね。
そんな人工雪ですが、温暖化が進んでいる状況下で世界各国のスキー場などで必要なものとなっているのです。
日本でも約40%のスキー場で使用されているんですよ。
雪を作り出す機会は「スノーマシン」「スノーガン」と呼ばれています。
そして人工雪の作り方は大きく分けて2種類あることから「人工降雪機」「人口造雪機」とも呼ばれます。
人工降雪機
北京で採用されているのはスノーガンと呼ばれる人工降雪機です。
北京は基本的には雪が降らない地域‼️
— 松村尚和(Hisakazu Matsumura) (@matsuhis1) February 5, 2022
人工降雪機フル稼働の中『スノーガン』の環境破壊が地元民を苦しめています。 pic.twitter.com/lCq1cYbtRN
低い気温の状態で、圧縮した空気と水を噴射することで噴射された水が霧となり空気中で氷、雪の結晶ができるという作り方です。
霧を噴射させて空気中で氷ることで雪のようになるんですね。
空気を含みながら氷の結晶ができるので、より自然の雪に近い雪質になるといわれています。
人工造雪機
もう一つの方法として人口造雪機があります。
この方法は氷を作り、細かく削って噴射させるという方法です。
簡単に言うと巨大なかき氷機のようなもので、氷を削って遠くに飛ばしていくということです。
水分を多く含んでいることが特徴とされています。
天然雪との違い滑りにくい?
人工雪は日本はもとより世界中でもつくられていることがわかりましたが、天然雪と違って滑りにくいのでしょうか。
北京オリンピックでは人工雪にネガティブな意見も多く散見されていました。
「スピードもエッジもコントロールが効かない」「ガチガチのアイスバーンで非常に怖い」「雪ではなくもはや氷」など、人工雪でつくられたコースを滑る選手に対して心配する声もあがっていました。
アメリカの選手のジェイミー・アンダーソンが滑走するコースを「防弾の氷のようで滑るのが怖くなった」と発言したというので話題になっていましたよね。
人工雪との因果関係についてはまだ不明ではありますが、芳家里菜選手と近藤心音選手は練習中にケガをしてしまい欠場することになりました。
仏放送アンテルナショナル中国語版は「北京五輪初の転倒、日本人選手が重傷」と題し、北京冬季五輪の【殺人人工雪】問題を指摘した。⁰記事は北京五輪に出場予定だったスノーボード女子の芳家里菜(22)が現地での練習で転倒し、脊椎を全壊損傷する重傷を負ったと報道した。死人が出ないことを祈る! pic.twitter.com/NfNqkN4ovz
— Kenji Tsuru (@0iZMB88ikrvxs0N) February 4, 2022
ウィンタースポーツは雪質の状態で選手のパフォーマンスにかなり影響のあるスポーツではありますが、多くの選手は自然の雪の多い場所で練習されているのではないでしょうか。
人工雪で競技を行うというのは慣れていない方が多いため不安視されたり、ケガの原因になってしまうのではないかと考えました。
なかには自然雪よりも雪質がいいと感じられている方もいらっしゃるようです。
しかしながら大半の方々が「慣れていない」コンディションでの出場になっていることで「滑りにくい」という意見が多くあがっていることがわかりました。
人工雪に近い環境で練習をするという戦略が必要となるのでしょうか、いずれにしても自然の雪よりは固いとされている人工雪ですのでケガには十分に注意していただきたいと思います。
まとめ
北京オリンピックが100%人工雪で開催していることについて人工雪について深堀してみました。
温暖化によって冬季オリンピックの開催国が少なくなってしまっているなか、人工的に雪をつくってオリンピックを開催することに挑戦したのが今回の北京でしたね。
人工雪を世界ではじめて作った人はなんと日本人。
作り方は2種類あり空気中で霧を氷のつぶにする降雪機と、かき氷みたいに氷をずってばらまく造雪機があります。
空気とまぜて比較的自然の雪にちかい雪質になるのが降雪機でつくる人工雪です。
人工雪は硬くて怖くて滑りにくいと言われていますが、その理由としては自然の雪で練習されている方がほとんどだからです。今後も温暖化により練習できる場所は人工雪になっていくのでしょうか。
選手たちにはケガや事故がないように頑張ってほしいですね。
最後までご覧くださりありがとうございました。