竜とそばかすの姫英語タイトルBELLEの意味は?Bell(鈴)でない理由を考察

細田監督作品で2021年に大ヒットした「竜とそばかすの姫」は日本のみならず海外でも人気の作品となっています。

全米で公開された時の英語のタイトルは「BELLE」

そう、主人公の仮想世界でのハンドルネームがタイトルになっているんです。

「竜とそばかすの姫」を直訳したタイトルではないところから、なぜこのタイトルになったのでしょうか。

また、主人公の実名は「鈴」で英訳するとBELLですがBELLEとの違いも気になりますよね。

こちらの記事では英語タイトルであり主人公のハンドルネームがBELLEなのはなぜなのかについて考察しています。

BELLではなくてBELLEなのはなぜなのでしょうか。

その意味を理解できたらもっとこの作品を楽しめるのではないでしょうか^^

※この記事には映画のネタバレを含みますので、ご視聴前の方はご注意ください

目次

「竜とそばかすの姫」英語タイトル「BELLE」

ベルは、主人公「鈴(すず)」のインターネット上の仮想空間<U>での<As>アバターの名前です。
BELLE」とは、フランス語で「美しい」という意味の女性形であり、つまり「美女」です。

ちなみに、『竜とそばかすの姫』を英訳すると、

・The Dragon and the queen of a freckle
・The Dragon and the Freckle Princess

などと表記できますが、なぜ英語のタイトルは「BELLE」なのでしょうか。

細田監督は、『竜とそばかすの姫』で『美女と野獣』の二面性現代の美女とはどんな存在かを表現したかったと
語っています。

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『竜とそばかすの姫』『美女と野獣』の二面性とは

『美女と野獣』の二面性とは、野獣の見た目は恐ろしく乱暴なところもありますが、実は悲しく傷ついた素顔を持っていて
優しい性格であるということです。

同様に『竜とそばかすの姫』の舞台となったインターネットのSNSも、他人を中傷する書き込みをする人が、実は気の弱い人かもしれません。主人公のベルは<U>で絶大な人気の歌姫ですが、すずは田舎に住む目立たない子です。
実は母を亡くしたトラウマを抱えています。

どちらの作品からも、外見や振る舞いがすべてではなく、誰もが見た目だけではわからない本質を持っており、本質が大事であることがわかります。

現代の美女とは

『美女と野獣』では、野獣を見た目で判断しないベルの心の美しさはもちろんですが、
ベル=美女であり、野獣は実はハンサムな王子様だったように美男・美女であることに価値がある描かれ方をしている
と感じ細田監督は残念に思ったそうです。

そのため『竜とそばかすの姫』では、すずは大切な人を助けるために、勇気をもって行動するように変わっていきます。
そんなすずのように困難に負けずに、立ち向かっていく姿こそが、男女問わず人の美しさであると細田監督は伝えたかったのではないでしょうか。

英語のタイトル「BELLE」には、細田監督の「人の見た目ではなく本質に触れてほしい自分の殻から出て、困難に立ち向かってほしい。」という願いと「頑張っている多くの人々に、一緒にがんばろう!」というエールが込められているのではないでしょうか。

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「竜とそばかすの姫」主人公の名前は「すず」

現実世界の主人公の名前は、内藤鈴(ないとうすず)です。
主人公・すずは…

・自然豊かな高知の田舎町で生まれ、育ちます。
・合唱団にいた母の影響で歌うことが大好きでしたが、母を亡くしてからは人前で歌が歌えなくなりました。
・父や周囲とも距離をとり、教室の隅でうつむいているような内気で、自分に自信のない高校生です。

これらの設定から主人公の名前は、「美女と野獣」のベル音楽(歌・楽器)に関係する「すず」にしたのでは
と考えられます。

“Bell”ではなく“Belle”になった理由

主人公の実名は「内藤鈴」であることから英語で鈴を意味する「BELL」という<U>の中でのハンドルネームをつけました。

しかし劇中でファンの間では「E」を付け足されて「BELLE」と表記されていましたね。

そしてタイトルもBELLEとなっています。

ベルがBELLではなく「BELLE」となったのはなぜなのでしょうか。

理由は2つあるようです。

ディズニー作品「美女と野獣」ベルをモチーフ

竜とそばかすの姫は細田監督が公言しているとおりディズニー映画の「美女と野獣」がモチーフとなっています。

美女と野獣の主人公である「ベル」は英語で「BELLE」です。

フランス語で「美しい」という意味があり、女の子の名前によくつけられるという由来があるんです。

美女と野獣の主人公をリスペクトしてつけられた名前であることがわかります。

また、細田監督が考える主人公すずの美しさとは「困難に立ち向かっていく姿」であったり、「成長して手に入れた強さ」のことを指します。大切な人のために勇気をもって行動する美しさを主人公のすずを通して感じることができる作品ですよね。

<U>の世界では美しい歌姫という別人格

鈴が自分で設定したハンドルネームはBELLでした。

しかし<U>の世界で美しい歌姫として人気となったことで、ファンの間では「美しい」という意味になるように「E」をつけられて「BELLE」と呼ばれるようになったのです。

鈴が仮想世界である<U>の世界でBELLとなり、BELLEと呼ばれ、現実世界とは別人格が他人によってつくりあげられていったことがわかります。

細田監督もネットの世界の人格と現実世界の人格について以下のようにインタビューで答えられています。

実は世界の片隅にいる地味なすずちゃんと同一人物であるということから果たしてどんなことが起こるのか、バレるのかバレないのか、どんな変化が彼女に起こるのかベルに起きるのかがこの映画の面白い所です

引用元:シネマトゥディ

竜とそばかすの姫あらすじ(ネタバレ)

地味でそばかすが目立つ17歳の女子高生・すずは、高知の田舎町で父と二人暮らしです。
すずの母は増水した川の中州に取り残された子供を助けに行き、命を落としました。

すずの母の死はネット上で自殺行為だと激しく叩かれ、すずもまた母はなぜ自分よりも他の子を救おうとしたのかと悩み、
孤独感から大好きな歌が歌えなくなっていました。

すずは、周囲に心を閉ざし、父との関係にも距離があります。
そんなすずの唯一の生きる支えは、一人で曲を作ることでした。

ある日、友達のヒロちゃんの誘いで、全世界で50億人以上が集まるインターネット空間の仮想世界<U>に出会います。
<U>では<As>と呼ばれるアバターを作り、もう一つの現実で、もう一人の自分になれるのです。

すずは、ベルというアバターで<U>に参加します。
母が亡くなってから歌えなくなっていたすずは、<U>では自然に歌うことができました

<U>で自作の歌を発表し注目を浴びるようになったベルのコンサートの日に、背中にいくつもの痣がある
竜の姿をした謎の存在が現れます。

竜は、<U>の自警団(ジャスティス)を相手に大暴れし、コンサートを無茶苦茶にしてしまいました。
自警団のリーダー・ジャスティンは<As>を強制的に現実世界での姿(オリジン)に戻す「アンベイル」
実行しようとしますが、竜はその場から逃げ出します。

<U>の秩序を乱したものとして、正義を名乗る<As>たちの「竜の正体探し」がはじまりました。
両方の世界では誹謗中傷が飛び交い、竜と疑われた人々のプライバシーが晒されます。
竜を排除しようとする人たちがいるなか、竜をヒーロー視する人たちも現れました。

竜のことが気になるベルは、クリオネの案内もあり、ついに竜の城をみつけます。
ベルは、自分を追い払う乱暴な姿と、クリオネに優しく接する姿を見て、「竜の本当の姿はどっちだろう」と困惑しつつも、竜を理解しようとします。

城を出たあと、ジャスティンたちに取り囲まれたベルを救い出した竜は、負傷してしまいました。
ベルは、竜のためだけに作った歌を歌い、一緒に踊ります。ベルの歌声に少しずつ竜は心を開いていくのです。

ジャスティンはベルを誘拐し、竜の居場所を聞き出そうしますが、ベルは言いません。
なんとか竜の味方に救われベルは脱出しますが、その際に落ちた竜の城のバラの花びらからジャスティンは竜の城を特定します。城は攻撃され、火をつけられてしまいました。

現実世界のすずは、幼馴染で人気者のしのぶくんとの関係を、同級生に誤解され叩かれてしまいます。
ヒロちゃんのおかげで攻撃はなくなったものの、しのぶくんと人気の女子ルカちゃんが両思いであると考え落ち込みます。
しかし、ルカちゃんの本当の好きな人は別人で、彼女らの仲を近づけようとしていたとき、しのぶくんから、
すずがベルではないかといわれます。

その場から逃げ出したすずは、竜の城が焼かれたと知り、ヒロちゃんが〈U〉での活動の際に使う教室に駆け込みました。
ベルは竜のもとへ行き「一緒に逃げよう」と伝えますが、竜は「僕が消えればいい。本当のことを言えずにごめん」と
言って姿を消します。

すずとヒロちゃんは、たくさんの<As>のなかから竜を探すうち、竜しか知らないはずの歌を歌っている子供・知の動画
みつけました。

すずは、動画のなかで父親に乱暴される知と、知をかばう兄・恵の姿を見て、恵が竜の正体であり、兄弟が虐待されていると確信します。

すずは、ベルだと名乗り助けたいと恵に伝えますが、ベルだと信じない恵は「どうせ何もできない」と
配信を切ってしまいました。

しのぶくんに、恵を信じさせるには〈U〉で正体を明かすしかないと言われ、ベルはジャスティンに自らアンベイルされました。正体を晒したすずは、泣きながらも懸命に歌いその歌声は全世界から喝采を浴びます。

すずは、中洲の子供を救おうとした母のこと、竜との出来事、母を追って川に入ろうとしていたすずを止めたしのぶくんの
ことを考えました。

すずがベルだと信じた竜は、自分たちの自宅を伝えようとしますが、配信に気づいた父親に切られてしまいます。

みんなで協力して、映像から部屋で聞こえた夕方の時報の曲窓から見えた風景をヒントにして兄弟のいる街を特定し、
児童相談所に連絡しますが、すぐに対応してもらえません。

すずは、単身兄弟のもとへ行くことを決め、向かいました。
そのバスの中でのLINEのやり取りの際、父の優しさに触れ涙を流します。

すずは、雨の降るなか探し回り、父親から逃げてきた兄弟を見つけます。
兄弟をかばったすずは、父親の暴力を受けますが、ひるまず凛とした表情で、兄弟の前に立ち塞がりました。
すずの気迫に圧倒された父親はその場を立ち去ります。

恵は、すずに感謝し、父親と戦う決意を語ります。
ずも“竜”との出会いで、変われたのだと感謝しました。

高知に帰ったすずは父や同級生らに迎えられます。
しのぶくんから告白され、すずは「ありがとう」と答えます。
合唱団でリードボーカルを頼まれたすずは、笑顔で引き受けるのでした。

まとめ

今回は、竜とそばかすの姫英語タイトルBELLEの意味は?Bell(鈴)でない理由を考察しました。

英題「BELLE」には細田監督の人の見た目ではなく本質に触れること。さらに、主人公のすずのように自分の殻から出て、困難に立ち向かってほしい。また、頑張っている多くの人々に、一緒にがんばろう!」という願いとエールが込められているといえるのではないでしょか。

そして、すずの<As>であるベルの表記が“Bell”でない理由は、「美女と野獣」のベルの名前が“Belle”であることと、
ベルが<U>の美貌の歌姫(『美しい』という意味になる“Belle”と意味を変えて呼ばれるほどに魅力的な人物)であること
から、“Bell”ではなく“Belle”になったと考えられます。

細田監督が影響を受け、大好きで作りたかったと語る、現代版「美女と野獣」である「竜とそばかすの姫」を
ご覧になってはいかがでしょうか。

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